ミヤビ焼却炉機種選びの目安
ミヤビ焼却炉にはいくつかの機種がございます。
その中からお客様にとっての最適な機種を選ぶのは少々難しく感じることかもしれません。
ここではお客様の「希望の焼却量」や「使用の仕方」から、ミヤビ焼却炉の最適な機種選びの目安をまとめてみました。
(*ここでは「焼却するもの」や「形、サイズ」からの機種選びの目安には触れておりません。それらはホームページ各機種の特徴をご覧ください。またミヤビにお気軽に詳細をお聞かせください。)
1.1日の焼却量を正確に把握することが最も重要です
表 1日あたりの希望焼却量に対応するミヤビ焼却炉の各機種
(*焼却物を木くず、紙くずと仮定した場合です。ポリエチレン等のビニール類の場合、この半分弱の焼却量になります。)
機種選びに際し最も大切なのが、
「希望の焼却量(例えば1日の)を、きちんと楽々とこなせるかどうか」
ということだと思います。
「うちはそんなにたくさん燃やさないから」
「一日に○○kgぐらいしか燃やさないよ」
とお考えだったお客様が、実は想定していた何倍もの焼却しなくてはいけない量の焼却物があった、という例がたまに見受けられます。
1日(または1回)の希望の焼却量を約○○kgと、正確に把握し、その量を確実に焼却していくのに十分な能力をもった炉を選んでいただくことが長く快適に焼却炉をお使いいただくために最も大切なことだと思います。
ミヤビのお客様は、他の焼却炉メーカーさんより、1日に焼却したい量のご希望が多い傾向がございます。
つまり「たくさん燃やしたい」
これはミヤビの炉が、実際の焼却能力(よりたくさん燃やせる)、
そしてその耐久性に、よりこだわっている証であるとも自負しています。
2.焼却の仕方(投入の回数や時間)をイメージする。
ミヤビの焼却炉は、比較的「たくさん燃やしたい」お客様から選ばれている傾向がございます。しかも「一度にたくさんごみを入れて(投入して)、一気に燃やしたい」というご希望もよくお聞きします。
しかしながら、いかんせん
届出不要の小型焼却炉は、一度に焼却物を投入できる量はおのずと限られています。
例えばミヤビの届出不要最大サイズの燃焼室の大きさを持つL+WIDE型SP仕様ですと、0.78㎥(ドラム缶約4本分)の燃焼室容積がありますが、その燃焼室満杯にぎゅうぎゅうに焼却物を押し込むことはできず、その半分つまり約0.4㎥(ドラム缶約2本分)のスペースで焼却することになります。
そして、燃えて減った分を連続的に追加投入していくという動作の流れになります。
つまりは、「ドラム缶2本分の燃やすスペース(燃焼室)の中にゴミを少しづつ投入していくたき火(野焼き)」をイメージしていただくのが近いと思います。
そして、ミヤビの場合、その同じ容量の焼却物を焼却する時間が、機種によってかなり違うと考えていただければよいと思います。
もしある程度まとまった量を焼却したければ、連続的に(何分かに1回)焼却物を再投入するという作業が必ず必要になります。
この投入作業、つまりどれくらい手をかけて焼却するのかをイメージできていないと、「炉を導入したけれど、思ったように量を燃やせない」というご不満につながってしまいます。
3.お客様の「ご希望の焼却量と焼却の仕方」から最適な機種をご提案します
「毎回または頻繁に1日に100㎏以上の焼却を行い、
しかもなるべく10年以上炉を使用したい」
というご希望であれば「水冷式焼却炉」をおすすめします。
これらの機種は、耐久性と焼却能力にこだわり、高い頻度で大量の焼却を行うお客様に選ばれています。
「1日に焼却したい量は数10kg程度で、炉内で燃焼中に再投入はせず、燃え終わってから次の投入を行う」
というご希望であれば、「耐火コンクリート(キャスタブル)式焼却炉」をおすすめします。
比較的焼却時間が短い(1~2時間程度)場合、耐久性を重視した水冷式焼却炉よりも長持ちする場合も多々あります。ただし、頻繁な投入を繰り返すことで、炉の寿命が数年程度になってしまう可能性もあるためご注意ください。
4.まとめ
よって、最適な機種の選びに大切なことは以下の2点です。
①ご希望の焼却量(例えば1日に)を正確に把握する
②どのように投入作業を繰り返して、どれくらいの時間で焼却したいかをイメージする
焼却炉導入後に、「もう少したくさん燃やしたかった」「もうちょっと短時間で楽に焼却したかった」ということのないように、上記の表を参考にした上で、ご不明な点はお気軽にミヤビへご質問ください。
できる限りのお客様の立場に立ったアドバイス、ご提案をさせていただき、最適な1台を見つけるお手伝いをしたいと思います。
焼却炉導入後の「ちょっとこんなはずではなかった」を極力なくしたいと考えております。
5.各機種を選ぶ目安
L+WIDE型SP仕様(水冷式)
ある程度焼却専属に近い作業員が、頻繁に投入作業を繰り返す使用法で、1日あたり少なくとも約100kg以上~1000kgの焼却をご希望の場合におすすめいたします。
ミヤビの届出不要サイズ焼却炉の最上位モデルとなります。
小規模行政(数百人の離島等)の一般ごみ焼却や、国防施設の建設現場の数千人規模の作業員宿舎(計4台設置)の廃棄物焼却にも活躍しています。
また、ある「もやし」の生産を行っている食品工場様は、1年365日休みなく朝から夕方まで、梱包材のくず等を300kg以上焼却しています。
設置から11年以上経過(2014年設置)していますが、数度簡単なメンテナンスを行ったのみで、丸1日炉を停止させたことが1度もないことで、ミヤビの誇りともなっている機種でもあります。
L+WIDE型(水冷式)
焼却専属の作業員ではないが、1日に何度となく投入作業を行って、約50~300kg程度の焼却をご希望の場合におすすめいたします。
ミヤビで最も販売台数の多い焼却炉です。
使い勝手と耐久性はもちろんのことコストパフォーマンスにも優れた、お客様満足度も非常に高い機種です。
L+mini型(水冷式)
1日に何回かの投入を繰り返して、特にプラスチック類専用(ポリエチレン等)で焼却する方で100kg以下の焼却をご希望の場合におすすめいたします。
比較的小型ではありますが、高速燃焼タイプですのでとても速く焼却ができます。
FREE ZERO49型、FREE ZERO185H型(耐火コンクリート式)
1日に数10kg程度の焼却がご希望で、炉内で燃焼中には再投入は行わない、燃え終わってから次の投入を行う。というご使用の場合におすすめいたします。
比較的1日の焼却時間が短い1~2時間の焼却ですむつまり数10kg程度の焼却量でしたら、高耐久を謳う水冷式焼却炉より逆に長持ちする場合もございます。頻繁に投入動作を繰り返すことで、100kg以上の焼却も可能ですが、毎日繰り返すことで炉の寿命が数年程度になってしまう場合もございますのでご注意ください。
FREE ZERO型
より少量の焼却量でよい場合におすすめいたします。
毎日ゴミ袋数袋程度。
ミヤビで最も販売台数の多いL+WIDE型水冷式焼却炉